【商品番号】9040 【締切日】6/11 【商品名】50/50(FIFTY FIFTY) 【製作者】えむ (えすとえむ) 【メーカー】極東衛星 【発行年】2005(H17)12.30 【サイズ】B5変形 (182mm×75mm) 【ページ数】26P 【備考】グーニーズ(The Goonies) 【最低落札価格】4,000円
【コメント】最初に申し上げておきますと、おそらく今後この本を拝むことはしばらくないと思われます…たぶん。同人誌のジャンルとしても、本当に珍しい部類に入ります。スティーブン・スピルバーグ監督による1985年の名作ジュブナイル映画・「グーニーズ」 (原題:「The Goonies」) 本です。今はもうテレビで放映されなくなってしまった映画ですが、昭和の頃に何度も地上波でテレビ版が流れていたものです。藤田淑子さん・野沢雅子さん・古谷徹さん・坂本千夏さん等のベテラン声優で登場人物の声が刷り込まれてるファンも多数のはず。私事で恐縮ですが、これを書いている担当も日曜洋画劇場で鑑賞を楽しんだ世代につき、ジャンルだけでも相当テンションが上がりました…!それがえすとえむさんのセンスがよすぎる絵柄で漫画が描かれていて、ドル札風のかわいい装丁の本で、もう「同人誌って素晴らしい…!」と月並みな言葉を綴るしかありません…。映画を観た方なら表紙でお察しいただけるでしょうが、内容はフラッテリー一家のお話です。主人公の少年少女達を追いかける、悪役側のキャラクター。お約束な「怖い肝っ玉母さんボスと、マザコン気味の間抜けな兄弟たち (やっぱり仲が悪い) 」という愛すべき悪役。兄弟仲良く喧嘩してる様子や、フラッテリーママの安定の存在感の描写からは、えすとえむさんが心から彼らのことを「世界一愛しい悪役 (あとがきより) 」と感じているのが伝わります。投獄されている間の兄弟二人・長男ジェイクと次男フランシスの会話劇がメインにつき、ちょっと残念ながら末弟のスロースは登場しません。映画は知らないけれど、えすとえむさんの本だからこの本を手に入れたいという方もいらっしゃるでしょうが、できれば本を手に入れる前でも後でもいいから、「グーニーズ」本編も観ていただきたいです…。同人誌って作り手側からすれば毎回儲けがでないことのほうがほとんどで、内容によっては「この気持ちを分かち合ってくれる読み手はいるんだろうか」と不安でたまらなくなったり、やっぱり趣味とはいえ制作に労力 (体力・精神力・財力) を要するものです。それでも最終的には作らずにいられなくなるわけで、もう愛しかそこにはないんですよ。自分の好きな作家がそこまでしてしまった作品について知ると、作家への理解とこの本への愛着がより深まるはずなので、ぜひ。作家とジャンル、どちらの面からも推したい逸品です。
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