【商品番号】3523 【商品名】水木しげる直筆カラー原稿「地獄」 【サイズ】158×255mm 【状態】美並 【状態詳細】テープ跡小変色、微小ヨゴレ・イタミ 【最低落札価格】1,800,000円
【コメント】 佐藤プロ刊「地獄」の表紙原稿です。鬼のような獅子頭の仁王が右手に生腕を、左手に少年を持っています。虎の毛皮を腰に巻いていますから、おそらく鬼でしょうが、その鬼の地球における起源を水木しげる独特の感性でシリアスなSFで描いています。これが描かれた1965(昭和40)年はSF文学界も星新一、筒井康隆、小松左京等々の日本SF界を構築していく作家たちが出そろった時期で、水木しげるも影響を受けていましたが、そのエッセンスは取り入れつつベクトルは妖怪や異界ものに特化していっています。鬼が持つ重量感が水木の巧みな筆遣いでエネルギッシュに描かれています。ダイナミックな鬼の筋肉群の中で、下顎の歯の精緻な表現は水木しげるのポテンシャルの高さを示していて、茫洋とした登場人物とはかけ離れた作者の本質が見えています。手にして驚くのは印刷された表紙絵と原画のギャップです。影の中にも描き込みがあり、鬼の筋肉群が隆々と蠢き出します。白い背景がその効果を増していますが、もちろんそこには作者の意図が見事に反映しています
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