【商品番号】8804 【商品名】鬼姫おろち 【製作者】影森奇蝶(白川まり奈) 【メーカー】ひばり書房 【最低落札価格】50,000円
【コメント】 非貸本 ひばりコミックス174 影森奇蝶怪談シリーズ
1975(S50).7.15/記載無し/新書/208P/小口少研磨、P45-49極少ヌレ/並上~美/-
伝承を現代に絡めアレンジする、というのは白川氏の基本作風であり、その絡め方や畳み方の強引さもまた白川氏の持ち味であるが、そういった強引さを全て納得させてくれるような絵力がある。脳髄に直接刺してくるかの如き構図、誰かの影響を受ける事なく純潔を保った絵柄。序盤11頁目の暗闇に顔が溶けた姫の立ち姿の恐ろしさに心を奪われ、恋人の死に発狂した姫の表情の危うげな美しさにハッとする。悲恋の伝説を現代ミステリに繋げてしまう強引さまで含め、全篇通して「白川まり奈」を余すところなく体感、楽しめる1冊である。 16年に「犬神屋敷」、19年に「狐狗狸屋敷」とまんだらけから発行された2冊で「白川氏の黒枠」はこの世に3冊存在する事となったが、影森奇蝶名義で当時ものの黒枠はこの「鬼姫おろち」だけであるという事実は永遠に揺らぐ事はなく、強者揃いのひばり黒枠の中での立ち位置や、本そのものの神聖もまた揺るがない
z100怪奇本
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