大オークション大会

[1002] 不二家 ペコちゃん首振り人形 胸にFUJIYA アンチモニー

  • 商品画像
  • 商品画像
  • 商品画像
  • 商品画像
  • 商品画像
  • 商品画像
  • 商品画像
  • 商品画像
商品画像
保証書あり

商品状態

[本体:並]

現在価格

850,000

開始価格

450,000

あなたの入札額

0

最終支払額

0円 (送料別)

入札件数

65

ウォッチ件数

30

残り時間

終了しました

開始日時

2022/08/15 00:00:00

終了日時

2022/09/07 20:55:02

商品番号

1002z111

オークション形式

LIVE大オークション

入札単位 [詳細]

10,000

この商品の入札受付は終了しました

商品説明

【商品番号】1002
【商品名】ペコちゃん首振り人形 胸にFUJIYA アンチモニー
【メーカー】不二家
【サイズ】300mm
【素材】アンチモニー、木材
【状態詳細】[本体:並]
【最低落札価格】450,000円

【コメント】
まんだらけの調べでは、ペコちゃんカウンター人形のセルロイド製とアンチモニー製はほぼ同時期に製造されはじめ、アンチモニーは当時の旗艦店のみに配置し、セルロイドは広く展開されていたということがわかりました
今回紹介する四角い台座の全身アンチモニーペコちゃんは、数あるカウンター人形の中でも最初期のみに見られる特徴が二つあります
一つ目は胸のマークで「Fujiya」の筆記体表記です。この特徴はセルロイドの目玉でもある(商品番号1025番)(商品番号1026番)が持つ最初期のしるしです。最初にペコちゃんが配され、1950年に販売された「パイパイビスケット」の蓋や1953年の10月に開店した銀座店の正面サインにそのトレードマークは使われおり、特に1955年以前に使われていた印象があります
二つ目は髪と目の色で、今回のペコちゃんは若干茶色味を帯びた頭髪、瞳は「紺色」で塗装されています。これは有名な話ですが、1950年に「パイパイビスケット」の缶に描かれたペコちゃんは、1949年にアメリカで売られたGeneral Foods Corp社の「Merry Birds Eye」のポスターのデザインとよく似た仕上がりとなっています
不二家サイドは今でもデザイン元などは把握できていないことになっていますが、熱心なファンの間ではよく知られた話です
最初期のペコちゃんは、茶髪で紺色の目をした異国情緒も含んだ姿で立体化されたのです。それは、1951年に販売された瞳が動くミルキーの箱のデザインをみても分かります。時代はまだGHQがおかれた占領下の日本なのです。紺色の目は1955年以前のペコちゃんの特徴と考えてもいいのではないでしょうか
胸のマークが「Fujiya」表記のアンチモニーペコちゃんはまんだらけZENBU29号(2005年発行)で大々的に告知されましたが、その後不二家のサイトやファンの方が作るコレクションブックにもその姿を現す事はありません。この10年間で市場に出たのは29号と同じ丸台座のものが一体のみで、今回紹介する四角台座の個体は一切見つかっておりません。セルロイド、アンチモニー、ソフビと続くどのカウンター人形においても四角台座は発見されておりません
この人形を検証するため、人形を台座から外し確認を行いました。その際に判明したポイントは左足の裏に「左」のエンボスがある点です
このエンボスはまだ「ペコちゃん人形」がなんたるかを作業するスタッフ達が理解していない時期に、塗装や部品の向きなどを確認するための目印でした。アンチモニーは一体成型の為、塗装前では前後が判断しづらく(そもそもこの当時、広告用の人形で見本となるような物もなかった)職人たちはエンボスを頼りに作業工程をこなしていたのでしょう。この「左」のエンボスは木台座に強く「左」と読める痕を刻印しています。 台座の裏面には無垢な木目ですがうっすらと「スプレー飛び」があるのが分かります
これはこの四角台座を幾重にも重ね、おそらく側面を吹きつけ塗装をしていた時に出来たものだと思われ、製造工程が垣間見られるものになっています
アンチモニーのペコちゃんは弊社調べで4種類の存在を確認しています。それは29号で紹介した胸マーク「Fujiya」の丸台座、今回紹介する同ボディの四角台座、胸「不二家のミルキー」の全身アンチモニーのタイプ(出品番号1003)、胸「不二家のミルキー」頭部アンチモニー・胴体セルロイドのタイプ(出品番号1004)が存在します
ペコちゃんカウンター人形では製造において、長い歴史の間に大きく二つの企業が関わっています
一つは主にアンチモニー、セルロイドに携わる東京宣伝興業とソフビに携わるモダンプラスチックです
東京宣伝興業は108号のアンチモニー鉄人28号でも紹介しました。不二家のペコちゃんとその関係がハッキリわかる物が、頭アンチモニー、胴体セルロイドのペコちゃん【出品番号1004番】です。その特徴については10ページをご参照ください。台座裏の判子から、1953年~1954年にかけて製造されていた事がわかっています
カウンター人形の歴史は手間を省く、経費を削減するといった不二家の企業としての歴史を感じさせます
ここからは想像ですが、四角台座の製作には手間がかかります。まず素材の木材を四辺にカットしなくてはなりません。色塗りも吹き残しやムラが起きやすく、また、角が立つ分、台座に触れた時に怪我をしやすい四角よりも、熟練の作業者が一息で切り取れる「丸」の方がスムーズだったのでしょう
このような理由から四角台座がカウンター人形のスタンダードの台座として選ばれる事はなかったのです。胸(Fujiya)の丸台座が3体確認されているのに対して、四角はこの一体のみ、ある意味、最初期のプロトタイプの台座と言っていいでしょう
ペコちゃんは「ゴジラ」や「月光仮面」「ウルトラマン」よりも前に現れたキャラクターです 
その歴史は揺るぎなく、日本を代表するキャラクターの一つです。ペコちゃんを探求することは戦後のおもちゃの歴史を探求することになり、まんだらけでも最重要キャラクターとして、これからも扱っていこうと思います。まだ見ぬペコちゃんが現れることを待ちわびながら

全身アンチモニー製の首振りペコ。髪の毛が茶色、目が紺色なのが特徴(小野)

111ペコちゃん

この商品と同じカテゴリの商品