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[1002] 迷路 1 1958(S33)11.03

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貸本・ヤケ・シミ・カバー欠・背上下イタミ・糸綴じ補修・表2ビニカバ貼付・表3ビニカバ貼付・店印・本文周囲破れ多数・松本「月高く鯉跳る」P101角小欠け・裏見返し伝票貼付

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2025/06/15 15:00:00

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商品番号

1002

オークション形式

LIVE大オークション

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商品説明

【商品番号】1002
【商品名】迷路 1
【メーカー】若木書房
【発行年】1958(S33)11.03
【サイズ】A5
【ページ数】112P
【備考】上製
【状態】6
【状態詳細】貸本・ヤケ・シミ・カバー欠・背上下イタミ・糸綴じ補修・表2ビニカバ貼付・表3ビニカバ貼付・店印・本文周囲破れ多数・松本「月高く鯉跳る」P101角小欠け・裏見返し伝票貼付
【最低落札価格】60,000円

【コメント】
表2ビニカバ貼付・店印
今村つとむ「姿なき復讐(第一篇)
大石まどか「ごまかされたアリバイ」
つげ義春「おばけ煙突」
遠藤政治「くさぶえ」
松本正彦「月高く鯉跳る」
松本「月高く鯉跳る」P101角小欠け
裏見返し伝票貼付
『おばけ煙突』は、つげ義春が貸本劇画家として本格的に活動を始めた1958年11月、若木書房の貸本劇画誌『迷路』創刊第1号に掲載された短編作品です。全編を覆う冷たい雨の描写が象徴的で、抑制されたペシミズムと不気味な幻想性が漂います。当時の劇画ブームを背景に、つげは暗く荒いタッチを遺憾なく発揮し、読者に強烈な印象を残しました

生活状況と創作環境
年齢・居住環境
1937年生まれのつげは本作発表時点で20~21歳。1956年に高田馬場の下宿に入り、翌1957年には錦糸町へ移転。以後も東京下町の質素な下宿暮らしを続け、狭い部屋で制作に没頭します
経済的苦境
貸本漫画の原稿料のみで生計を立てる日々。生活資金の不足から、血液銀行で“売血”を経験し、創作活動と並行して体力的にも精神的にも厳しい状況に置かれていました
文学的・旅的刺激
谷崎潤一郎、エドガー・アラン・ポー、江戸川乱歩といった幻想文学や探偵小説に耽溺するとともに、友人に誘われて甲府・昇仙峡への旅に出発。後の「旅もの」作品の原型となる新たな体験を得ます

【つげ義春「おばけ煙突」】
つげ義春の短篇「おばけ煙突」は1958(昭和33)年の11月、辰巳ヨシヒロを中心として関西で立ち上げられた貸本屋向け短編誌「影」(1956年~)、「街」(1957年~)の影響を受け、その存在を追う形で創刊された若木書房の「迷路」の創刊号に掲載された

若木はつげとの縁深く、つげが単行本デビュー作「白面夜叉」(1955年。商業出版への本格的初露出はその前年、芳文社「痛快ブック」掲載の1頁漫画「犯人はだれだ!!」)を上梓したのも若木であり、その後の最初期の単行本の殆どをこの若木書房から発表している。創刊号への起用もそれまでの多くの作品の実績をかわれてのものであったのであろう。創刊号にはつげと一時期同じ屋根の下で寝食を共にし、公私共に影響を与え合った存在である遠藤政治も執筆陣の一人としてその名を連ねている
「おばけ煙突」はとんでもない作品である。漫画とは、一般的に娯楽として消費されるもののはずである。娯楽とは人間の心を楽しませ慰めるものだ。ところがこの作品にはその要素がまったくといって良い程、無い。そこにあるのは現実的な絶望と哀しみのみである。幸せへ向けてのカタルシスのため、また悪漢が世を呪うため等々の舞台装置として絶望と哀しみを描く作品は多くあるがここまで純粋に絶望と哀しみのみを描いた作品は他に類を見ないだろう

しかしこの絶望と哀しみの物語がただ毒々しく、読後に嫌悪を与えるだけの物となっていないのは、やはり筆者であるつげの作家性、不遇な人々への、想い・共感がベースにあり、見るものにそれが伝わってくるからであろうか

つげの作風といえば後の雑誌「ガロ」掲載作品に代表される様な、幻想的で仄暗い雰囲気の、自己の内面的な属性を紙面に滲み出させる様な内容の物がイメージされるが、この「おばけ煙突」はその表現のまさに端緒となる物語だ。なにをしてこの作品が生み出すに至ったか、その実際は筆者のみが知るところではあるが、自叙伝などで繰り返し言及される当時の生活の困窮や、周囲の人間の影響、その生い立ち等のすべてが混然一体となって出来上がったもので有る事は間違いない

「おばけ煙突」は、つげ義春にとって単なる短編ではなく、創作の自由を得た転機の作品である。職業としての漫画家から作家への脱皮、そして後の作品に見られる孤独と幻想の作風の原点となり、彼の創作人生における出発点かつ岐路となった重要作といえるだろう(久保)

128つげ義春
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