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あかしや書房/石川フミヤス/K・元美津/さいとうたかを/桜井昌一/辰巳ヨシヒロ/幹狂二「少年山河1」

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商品状態

貸本糸綴じ、カバー貼付イタミ (破れ・小欠け) 、小口印、本文しみ破れ小欠け、5×5cm欠け1カ所 (さいとう作品) ・10×8cm欠け1カ所 (幹作品) 1/2欠け1カ所 (元美津作品)

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開始日時

2015/02/01 00:00:00

終了日時

2015/02/10 22:48:58

商品番号

6231z67

オークション形式

LIVE大オークション

入札単位 [詳細]

1,000

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商品説明

【商品番号】6231
【商品名】少年山河1
【製作者】石川フミヤス/K・元美津/さいとうたかを/桜井昌一/辰巳ヨシヒロ/幹狂二
【メーカー】あかしや書房
【サイズ】A5
【ページ数】180P
【状態】並
【状態詳細】貸本糸綴じ、カバー貼付イタミ (破れ・小欠け) 、小口印、本文しみ破れ小欠け、5×5cm欠け1カ所 (さいとう作品) ・10×8cm欠け1カ所 (幹作品) 1/2欠け1カ所 (元美津作品)
【最低落札価格】15,000円

【コメント】劇画工房・編集
石川フミヤス「見捨られた世界」/K・元美津「水たまり」/さいとうたかを「激流」/桜井昌一「栄光への門」/辰巳ヨシヒロ「不敵な顔」第1回/幹狂二「花園」
発行は昭和34年の5月頃。発足間もない劇画工房(この時点では、さいとうたかを、桜井昌一、山森ススム、佐藤まさあき、石川フミヤス、松本正彦、辰巳ヨシヒロ、K・元美津の8人が参加)が企画・編集を行った貸本短編誌である。誌面の基調、掲載される作品のコンセプトとして「熱血友情」という言葉が掲げられている。「無意味な人殺しを見せ場とする探偵ものの短編誌が数多く出刊」されている当時の状況を憂い「人と人との心の結びつきの美しさ」を描き出す事を旨とし、編集が行われた。その編集と共に収録作品のほぼ全てを劇画工房の面子が担当している。この創刊第1集には、さいとうたかをによる柔道物「激流」、同じくさいとうが自らの少年時代を描き出す小編「わが熱血少年の頃」や、K・元美津の教師と生徒の心の交流を描いた学園物「水たまり」、辰巳ヨシヒロの連載ボクシング物「不敵な顔」、桜井昌一が1人の天才少年画家の挫折と栄光、その影を描く「栄光への道」等が掲載されている。いずれの作品も自身等が編集し、発行する新雑誌にかける熱意と意気込みが感じられる力作・秀作揃いである。
さて、ここでこの「少年山河」は「桜井昌一」という括りの中の一冊であり、紹介はそこを重点に、という所が本筋であるが、ことこの一冊に関しては、あえてその括りから離れ、注目したい一編が在る。石川フミヤスによる「見捨られた世界」がそれである。「民主主義の世の中に 古い封建制度そのままの 常識では考えられない差別と偏見に圧迫され乍、 暗い苦しい生活を送っている人々がいる」との文言から始まる。父と幼い弟と3人で暮らす仲原少年は、父の仕事が不安定な為、働きながら学校に通う勤労少年。ある早朝、いつもの様に牛乳配達の仕事をこなす少年に、家人が労いの言葉を掛ける。ごく自然な流れで、少年がどこから来ているのかを尋ねる婦人であったが、少年の答えを聞くや驚きの声を挙げ、唐突に扉を閉めてしまうのであった。「気にするのはよそう」と呟く少年の瞳には一粒の涙が輝いていた・・・・。
所謂、被差別部落問題を真っ向から取り扱った一編である。この後は、差別に屈することなく正しく生きていこうとする少年が、立ち行かない現実・理不尽なる差別に打ちのめされ苦悩する様が描かれる。劇終、少年はごく限られた範囲においての一応の救済と安寧を得るが、世間は依然として理不尽な差別を少年に投掛け続け、少年は苦悩し続けて行く。
貸本漫画界で被差別部落問題がらみのエピソードと言えば、後発であるがその内容に糾弾を受け、回収騒ぎにまで発展した平田弘史の「血だるま剣法」(日の丸文庫/昭和37年)が思い浮かぶところであるが、「血だるま」では、あくまでも惨酷劇の動機付けとして差別とそれに対する憤りが配されているのであり、ともすれば別の動機でも物語は成り立つものである。しかしてこの「見捨られた世界」は問題その物に切り込み、読む物にその是と非を直接問いかけてくる。血みどろのショッキングな場面等は存在せず、ある日常がそこに存在するだけの物語であるが。孵ってそれが故に、非常にショッキングな作品である。
落丁級の欠損や本文にかかるヤブレが複数存在する全般に満身創痍気味の個体であるが、件の短編部分に目だったイタミや欠落は見られない。石川フミヤス衝撃の問題作。この機会に、ご一読を。(それにしても副題の「現代サイコドラマ」とはいったいどういった意味だろう?)

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